CASE
安全性の高いテレワークサービスで第2波を見据えたBCP対策を推進。電子化・オンライン化対応もUBSと二人三脚で進めていきたいです
資生堂健康保険組合 常務理事 岡 良廣 様
リプレイス時の柔軟な対応を通じて、早期に信頼関係を構築できた
資生堂健康保険組合様は、2018年11月にUBSの基幹業務システムKenpoWave21を導入されました。2年後に控える電子申請義務化に向け、丁寧にコミュニケーションを取りながら対応を進められるシステムベンダーを探す中で、弊社システムへの移行を決められたそうです。
「残念ながら、システムベンダーの中には、導入後のサポートが形式的なものにとどまっているケースも少なくありません。UBSは、こうしたケースとは対極にあるシステムベンダーだと感じています」と岡氏はいいます。「導入検討時にUBSの担当営業の方とやり取りさせていただいた際、ユーザフレンドリーなシステム・サービスを追求し続ける姿勢を目の当たりにして『この方々とであれば、健保の課題を二人三脚で乗り越えていける』と確信しました。導入組合数350という実績にも納得しましたね」
岡氏が特に印象的だったと語るのは、半年にわたるシステムリプレイスのときのこと。同組合から「作業管理をUBSにすべてお任せするのではなく、健保側でも進捗状況を細かく把握しておきたい」とのご要望を受け、組合とUBSで移行プロジェクトを立ち上げて、リプレイスを進めました。「定期的なミーティングで進捗状況を都度報告いただくなど、柔軟に対応いただけて感謝しています。また、その半年間で担当営業・SEと確かな信頼関係を築くことができ、運用開始に向けて安心感も高まりました」
実際に運用開始後は、システムの機能や性能、使い勝手もさることながら、担当営業・SEが一体となったサポート体制に満足しているという岡氏。中でも、トラブルなど問い合わせ時の対応の早さには感銘を受けたそうです。「当健保は加入者数が30,000人を超える規模でありながら、職員6名という少数精鋭体制で業務を遂行しています。そのため、基幹業務システム周りでちょっとした困りごとがあった際に、迅速に問題の解消をサポートしてもらえるのは非常に助かりますね。正確かつ効率的に業務を行えているため、職員の残業はほとんどありませんし、厚生局の監査も指摘を受けることなくクリアしています」
テレワークサービスの導入で、安全かつ業務負荷の少ない在宅勤務運用が可能に
2020年7月には、新型コロナウイルス感染症流行への対策として、UBSのテレワークサービスを導入されています。同年4月8日の緊急事態宣言発令には間に合いませんでしたが、同組合では2月頃から流行拡大時におけるBCP対策の検討を開始。UBSも積極的にサポートさせていただきました。「2月という比較的早い段階で、UBSが厚生労働省に確認しながらテレワークの仕組みを整えていることを聞き、まず安心しましたね。また、緊急事態宣言発令時には、事業主の方針により、当健保でも職員全員が在宅勤務に移行したのですが、事前にUBSと相談しながら準備と心づもりをしていたおかげで、スムーズに移行できました」と岡氏は振り返ります。例えば、4月の適用処理で月初に実施可能な処理については集中的に行い、在宅勤務開始前までにすべて完了。また、4月分の給付処理は緊急事態宣言解除後、日付をさかのぼって行ったそうですが、システム上問題がないか、事前にUBSに確認も取っていました。
5月の大型連休明け以降は段階的に出勤日数を増やし、現在では職員が半数ずつ交互に在宅勤務を行っているといいます。「テレワークサービスのシンクライアントPCを活用できるようになってからは、在宅勤務時でも基幹業務システムを使った業務を遂行できるようになり、よりストレスなく新しい業務体制を運用できるようになりました。また、厚生労働省による健保の事業継続方針に即して同サービスが開発されてきたことや、リリース前の検証作業を丁寧に行ってきたことについてもたびたび報告を受けていたので、セキュリティ面での不安はまったくありません」
今後の見通しがまだ不透明である中で、11月にはさらに2台のシンクライアントPCを追加導入予定である同組合。自宅・オフィス間での端末の持ち歩きを極力減らすことで、職員の負担を軽減するとともに、端末の破損・紛失リスクにも備えていくとのことです。
電子化・オンライン化対応や健保の枠を超えた連携も、UBSと共に模索していく
健保を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中、さらにコロナ禍を経験したことで、岡氏は常務理事として、同組合の課題や向かうべき方向性をより明確に意識するようになったといいます。こうした基幹業務システムの領域を超えた大きなビジョンについても、UBSの担当営業と日常的に議論しているそうです。「短期的には、事業主も巻き込んだ電子申請、電子決裁、電子保存、電子監査などのオンライン化が課題です。UBSのデータヘルスICT連携基盤KW21-Connectなども活用しながら、業務効率化を早急に推進していきたいと考えます」
さらに、より長期的な取り組みとして、複数の健保が連携し、適用・給付・経理などの業務を共同で運営する仕組みの構築も構想しているとのこと。
「厳しくなる財政状況、人手不足の深刻化といった問題を乗り越えるために、健保はその在り方を大きく刷新する必要があると考えています。一健保内における業務効率化には限界がありますが、複数の健保で一部の業務を集中的に行えるようになれば、より大きな効率化が期待できるでしょう。そして、多くの業務を基幹業務システム上で行っている以上、ここでもシステムの活用方法がキーになってくるはずです。まだ漠然としたイメージしかありませんが、将来的にユーザ同士でこうした取り組みができないか、UBSと共に模索していきたいですね」と強く語ります。
ユーザ会とUBSで、健保の業務そのものを作り上げていきたい
最後に、岡氏はUBSに対して「単に基幹システムを提供するベンダーではなく、健保の業務そのものをユーザとともに作り上げていくような存在であってほしい」と話します。「システムはあくまで、業務の一部で使うツールに過ぎません。したがって、個々の作業を単純に電子化するだけでなく、健保の業務体系・業務フロー全体までイメージして、UIや機能の一つひとつを設計いただけることを期待しています。とはいえ、それらすべてに各健保への個別カスタマイズで対応するのは非効率的です。そこで例えば、ユーザ会として、より普遍的なレベルで効率的な業務体系・業務フローを考え、その中でのシステムの活用方法をUBSと議論しながら、システムを育てていけるとよいのではないかと考えています。UBSがユーザフレンドリーを追求するシステムベンダーだからこそ、私たちユーザもその想いに応える存在でありたいと思っていますね」
UBSと密にやり取りしながら、今後も同組合や健保業界全体の課題を共に乗り越えていきたいという岡氏。お話を伺う中で、長きにわたるパートナーとしての役割を全力で果たしていく決意を新たにいたしました。
※所属・役職等は取材時のものです。