CASE
テレワークサービスの導入で、念願の働き方改革が大きく前進。母体企業とのコラボヘルスでもUBSのシステムを活用していきます
明電舎健康保険組合 常務理事 真崎 俊文 様
BCP対策と働き方改革は表裏一体。健保こそ率先して推進が必要
UBSの基幹業務システムKenpoWave21を2012年から利用している明電舎健康保険組合様。2020年6月には、新型コロナウィルス感染症対策として、そして、より長期的なBCP対策・働き方改革に向けた取り組みとして、UBSのテレワークサービスを導入されました。
真崎氏は「健保こそBCP対策と働き方改革を率先して行う必要がある」と主張します。健保は、医療という社会の一基盤を支える組織。したがって、コロナ禍に限らず、いかなる事態においても事業を継続し、一定の社会的責任を果たさなければなりません。また、事業継続と表裏一体の関係にあるのが、健保職員の安全確保も含めた働き方改革です。特に、同健保では介護や育児をしながら仕事に取り組む職員がいることから、働き方を柔軟に選択できる仕組みの整備に、長年の問題意識を抱いていたといいます。「テレワークは、こうしたBCP対策と働き方改革を進めるための有効な施策のひとつ。しかし、従来の健保業務の在り方ではどうしても導入が難しく、ずっともどかしさを感じていたんです。そうした中でUBSのテレワークサービスを提案いただいたので、迷わず導入を決めました」
安全性を確保しながらテレワークを運用し、2020年4月や5月は出社率3割を実現、その後も出社率削減を維持
2020年12月現在、同健保ではシンクライアントPC2台を活用し、緊急事態宣言解除後も積極的にテレワークを運用しています。併せて、インターネットに接続する情報系端末を持ち運びしやすいノートPCに切り替えたり、在宅勤務中の打ち合わせにWEB会議システムを活用したりと、ハード面を全面的に整備。さらに、テレワーク中と出社時に執り行う業務を整理するなど、ソフト面の体制も整えたそうです。こうした取り組みの結果、半年以上にわたって出社率削減を維持しながらも、遅滞なく業務を遂行できているといいます。「個人情報を扱う健保にとって、テレワーク運用における最大の課題はセキュリティ対策だといえます。その点、このたび導入したUBSのテレワークサービスは、厚生労働省のテレワーク環境設定基準を満たした仕組みになっており、そうしたひとつのネックを解消できたのではないかと思っていますね。安全性を確保しながら働き方改革への第一歩を踏み出せたことに、大きな意義を感じています」と真崎氏は笑顔を見せます。
こうした現状に満足することなく、BCP対策と働き方改革を次のステップに進めたいという真崎氏。ペーパレス化を進め、将来的には、母体企業の拠点内にあるサテライトオフィスで安全にテレワークができる仕組みを整えていくことも構想しているそうです。UBSも同健保のBCPパートナーとして、引き続きご支援させていただきたく思っています。
出社制限下での事務長交代では、担当営業・SEが引継ぎをサポート
「コロナ禍では、システム運用の範囲にとどまらない、UBSの手厚いサポートにも助けられました」と真崎氏は話します。同健保では2020年4月、緊急事態宣言発令の直前に事務長が交代。母体企業からの出向者である新事務長は、健保業務はまったくの未経験だったそうです。しかし、出社が制限され、対面で時間をかけて引継ぎを行うことが難しい状況だったといいます。そうした中、UBSの担当営業・SEが同健保に赴き、新事務長の業務遂行を随時サポートさせていただきました。「システムの利用方法から法令知識、業務内容に至るまで、幅広く相談に乗っていただいたおかげで、今では事務長も業務を問題なく遂行できるようになっています。担当営業・SEがチームとなってユーザに寄り添い、それぞれの業務を一緒に考えながら、柔軟に対応してくださっていることを実感しました」と、真崎氏は安堵の表情を浮かべながら振り返りました。
保健事業でのデータ活用も意欲的に行いたい。KW21-MSSの機能追加に期待
近年、同健保が目標に掲げるのは「働くシニア世代の健康づくりのパートナー」。2021年4月に改正高年齢者雇用安定法が施行されるなど、働くシニア世代が増加する中、健康リスクの高い同世代の健康維持・促進は、健保にとって重要な課題になっています。「シニア世代の健康は一朝一夕に実現できるものではありません。大切なのは、働く人一人ひとりに、若い頃から『健康を積み上げてもらう』こと。つまり、シニア世代の健康確保は、全世代の健康確保でもあるのです」と真崎氏は強く語ります。その一環として、同健保では2019年度から母体企業とのコラボヘルスを推進。労働組合、産業保健スタッフ、安全衛生スタッフと共にコラボヘルス委員会を立ち上げ、喫煙対策や若年層の生活習慣病対策、心の健康づくり対策など5つの切り口から、健康活動を推進する「スマートチャレンジ明電5」に取り組んでいます。
こうした保健事業も、UBSのシステムや、システムに蓄積されたデータを活用しながら展開していきたいと真崎氏は話します。「例えば、地域や事業所、年齢・性別、生活習慣と医療費のデータを分析し、その結果をもとに施策を展開できれば、加入者の健康をより効果的に促進し、医療費の適正化につなげられると考えています。また、実施した保健事業の効果検証もデータから行えるとよいですね。PDCAを回して、健保経営の効率化を進められるのではないかと思っています」
同健保は、2020年11月に健保経営支援システムKW21-MSSを導入したばかり。今後、こうした保健事業の施策立案・効果検証に関する機能追加に期待を寄せているとのことです。
電子化で健保の在り方は大きく変わる。ユーザ会での活発な情報交換を
真崎氏は、今後の展望として「UBSや他のユーザと一体となって、健保の電子化に対応していきたい」と話します。「電子申請システムやオンライン資格確認導入を皮切りに、社会保険分野での電子化が一気に加速することが予想されます。しかし、国が進める取り組みの全体像を把握するのは容易ではありません。加えて、健保として何にどう対応していけばよいかについても、明確なイメージをつかみかねているのが正直なところです。そこで、例えば、UBSのユーザ会で健保同士が情報交換しつつ、またUBSからも制度の解説をしてもらいながら、皆で健保の電子化について理解を深められる機会を持てればよいのではと考えています。電子化が進めば、健保業務や健保の在り方自体が大きく変わっていくはずです。他のユーザと切磋琢磨し、UBSにサポートしてもらいながら、その変化を味方につけていきたいと思っています」
BCP対策、働き方改革、健保経営の効率化、電子化――。真崎氏のお話を伺いながら、コロナ禍で浮き彫りになった健保のさまざまな課題を、私たちも振り返ることができました。同健保のように、テレワークを積極的に運用する健保が登場しつつあるのも、真崎氏のいう「健保の在り方の変化」のひとつだといえるかもしれません。UBSはユーザの皆さまのパートナーとして、そうした変化へ的確に対応できるよう、引き続き伴走してまいりたいと思います。
※所属・役職等は取材時のものです。